未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
数万人に一人の割合だったら、俺らの住むこの町にも少なくとも一人ぐらいは適合型がいるはずだ。
刷り上がったビラを自分の通学用の鞄の中に入れた。
明日から早速始めよう。
この結果がいつ出るかはわからないし、抗癌剤の治療で咲雪が良くなったら無駄になるかもしれない。
だけど、何もしないで後悔はしたくはない。
机の隅に置いてある写真立ての中には、前に咲雪と悠聖と三人で撮った写真が入れてある。
俺はそれを手に取った。
あの頃の俺らはみんな微塵の不安も感じさせない笑顔で笑っている。
あの時は、こんな日が来るなんて考えもしなかった。
写真の中の悠聖に語りかけた。