未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。

「さっきは悪かった。俺が言ったのは全部嘘なんだ。……咲雪は急性白血病で、ドナーも見つかっていない。だから……いつ死んでもおかしくない。

咲雪が、どうしてもお前にだけは知らせるなって言うからさっきはあんなこと言ったけど、俺の本心は、例えお前を傷つける結果になってでも、お前には本当のことを教えて咲雪の支えになってもらいたかったんだ。

……今更だよな。でも、これが咲雪の願いだから……俺はお前には本当のことを話せない」


目から落ちた涙がガラスではじける。



「ごめん。悠聖」



それから俺は、写真を机の引き出しの奥にしまった。



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