未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
「……そう。とうとう、明日から抗癌剤の治療が始まるんだ……。
咲雪、気分はどう?」
見舞いに来てくれている茉優にあたしは正直な気持ちを話した。
「不安でかなりやばい。夜とかも怖くてあまり眠れないからちょっと寝不足気味。
本当はよく寝て体調を整えなくちゃいけないんだけど、眠れないんだからしかたないよね」
「でも、寝なくちゃだめだよ。お医者さんに頼んで睡眠薬を出してもらったら?」
「うん。でもあたしの場合、目が冴えて眠れないんじゃなくて、眠るのが怖くて眠れないんだから、睡眠薬とかはあまり関係ない気がする。
眠ってそのまま目を覚まさなかったらって思うと、眠りたくないの」
「そっか。それだったら咲雪には精神安定剤の方がいいのかもね。先生に出してもらったら?」
「うーん……。ま、それも考えてはいるんだけど、やっぱなるべくなら薬って使いたくないんだよね……」