未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
あたしがそう言うと、茉優も頷いた。
「そうだよね。
……ところで、悠聖先輩とはもう話したの?悠聖先輩がいれば、精神安定剤もいらないでしょ?」
茉優が無邪気に聞いてくる。
でも、あたしはもう悠聖のことを話題に出してほしくない。
あたしは、彼との事は思い出にしようと決めたのだから。
「……悠聖とは、もう終わったの。だからもういいの。
あたし、先生に頼んで精神安定剤を出してもらうから」
茉優が眉をひそめる。
「何があったの?咲雪」
「何もないって。とにかく、この話は終わりにしよ。思い出すと泣けてくるからさ」
「……わかった」
あれ?
そういえばお兄ちゃんの姿が見えない。
「あ、ところでさ茉優、お兄ちゃんどこに行ったか知らない?」
「え?圭祐先輩?
さあ?さっき、あたしを病院の玄関まで連れてきてくれたけど、その後、なんか用があるからそれを済ませてくるって言ってどこか行っちゃった」