未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
「ありがとう茉優ちゃん、すごく嬉しいよ。
大丈夫。二人で頑張ればきっとすぐに咲雪にドナーが見つかると思うから、一緒に頑張ろう‼」
俺は、持っていた紙の束の約半分を茉優ちゃんに渡した。
それを受け取ると、満面の笑顔で頷く茉優ちゃん。
「はい‼」
「じゃあ、俺は駅の向こう側で配るから、茉優ちゃんはこの辺で配ってくれる?」
「わかりました。
……先輩‼」
「なに?」
「咲雪、絶対良くなりますよね?」
茉優ちゃんの真剣なまなざしに、俺は確信を込めて頷いた。
「良くなるさ‼俺はそう信じてる」
「あたしもです」
茉優ちゃんは笑顔でそう答えてから俺に背を向け、通りかかる人たちにビラを配り始めた。
さて、俺も頑張らなきゃ。
俺はビラの束を持ち直して、駅の反対側に通じる地下道を降りていった。
.