未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
「なあ、骨髄バンクの登録ってどこでするんだ?」
俺がビラを拾い集めている時に若い男の声が背後から尋ねてきた。
「ああ、はい、それは……あ!」
振り向くとそこにはビラを手に持った悠聖が厳しい表情をして立っていた。
その後ろには茉優ちゃんと央子もいる。
その瞬間、悟った。
悠聖が全てを知ったんだということを。
しかし、このことを心のどこかで期待していたからか、あまり驚きはない。
「茉優ちゃんから聞いたんだ?」
「何を他人事みたく冷静に言ってるんだよ?」
悠聖はそう言うなり、握り締めた拳を俺の腹に埋め込んだ。
全く予期していなかったので、避けることも出来ずにもろにみぞおちに入った。
あまりの激痛に一瞬意識が飛びそうになる。
俺は冷たいアスファルトにひざをついた。
「ぐえ‼げほっげほっ」
息が詰まって思い切り咳き込んだ。