未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
「……圭祐君や悠聖君や茉優ちゃんから咲雪ちゃんのこと聞いたら、他人事に思えなくなってほっとけなくなっちゃったっていうのが本音。
……あたしね、中学の時に妹を同じ病気で亡くしたから圭祐君達の気持ちも咲雪ちゃんの気持ちもよくわかるんだ。
妹も、咲雪ちゃんと同じように自分だけで苦しみを背負おうとしたの。
もちろん両親は知ってたけど、一番仲が良かったあたしには最後まで教えてくれなかった。
それどころか、今の咲雪ちゃんみたいに、わざと嫌な奴を演じてあたしに嫌われようとしたりね。
結局、あたしが、妹に最後に掛けた言葉は……『あんたなんかだいっ嫌い』だった。
妹が死んだ後であの子の本当の気持ちに気付いたけど………何もしてあげられなかった。
あの時みたいな思いはもうしたくないの」
央子がそんなに辛い経験をしてきたとは思いもよらなかった。