未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
あたしは、持てるだけの力で彼の手を握り返す。
もう二度と、彼を放したくない。
でも、彼に対して酷いことをしたあたしの心に不安が芽生える。
悠聖が、あたしに別れを告げるためにここに来たんだとしたら……。
そんなの、耐えられない。
「……悠聖……ごめんね。この前は、ごめんね……嘘ついて、病気のこと隠して……。
でも、あたしには……あなたがいないなんて……やっぱり、耐えられない……。お願いだから、許して?お願いだから……」
泣きながら悠聖に嘆願した。
すると、悠聖は泣きそうな、それでいながらしっかりとした口調であたしに言った。
「……馬鹿。許すも何も、俺は怒ってなんかないよ!
それより咲雪、辛いことがあったら何でも俺に話してくれよ。咲雪が一人で悩んで苦しんでるなんて、俺にはそっちの方が耐えられないよ!」
悠聖のこの言葉は、あたしの胸にグサリと突き刺さった。