未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
「あ、わかった?」
「意地悪‼こんな恥ずかしいことを何度も言わせるなんて!」
「恥ずかしいことって?」
あえてもう一度聞く。
その返答に咲雪は真っ赤な顔をして思いっきり舌を出し、またそっぽを向いてしまった。
「咲雪」
「…………」
「おーい咲雪。咲雪ちゃん」
「…………」
照れているのか返事もしない。
そんな彼女を抱きしめたいという衝動に駆られたが、ビニールのしきりに阻まれているのでそれは出来ない。
俺はやっとの思いで自分の中にこみ上げてきた衝動を押さえ込み、咲雪に言った。
「いつか、一緒に行こうな。絶対に」
咲雪はそっと俺のほうに向き直り、潤んだ目で俺を真っ直ぐに見つめながらはっきりと頷いてくれた。
「……うん」
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