未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。



「ねえ、悠聖君、茉優。そろそろ時間じゃない?」


央子が自分の腕時計を見ながらそう言う。


それを聞いて悠聖と茉優ちゃんはほぼ同時に自分のスマホを取り出した……が、その後の二人の反応はかなり違った。



「……って電源切ってんじゃん」


「……あ、あたし、電源切るの忘れてた。
……はい、央子ネエの言うとおり、そろそろ時間です」


茉優ちゃんは悠聖にそう言って、今度こそスマホの電源を切った。



「あ、そうか。じゃ、そろそろ行かなくちゃな」


そう言いながら立ち上がる悠聖と央子と茉優ちゃん。



「え?ちょっと、なんなの?
ね、悠聖、どうしたの?」



一人だけ事情を知らない咲雪が悠聖に尋ねる。


しかし、悠聖は意味ありげに笑って肩をすくめただけだった。



「さあ?ま、気にするな」


「なによー?気になるじゃない、教えてよー?」


「フランス料理のフルコースざぁますのよ」

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