未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
「もうすぐ二月だから、午前中でも咲雪のところにいられるようになるからな」
俺がそう言うと、咲雪は顔を輝かせた。
「あ、そうだね。お兄ちゃん達って三年生だから二月から休みになるんだ」
「そういうこと。そしたら、悠聖と央子と交代でちょくちょく咲雪の所に来るからな」
これを聞いて咲雪は、しみじみと言った。
「悠聖も央子ネエも、あたしにはもったいないぐらい優しい人だよね。
……悠聖は、あたしが嘘ついてたこと、怒らないで許してくれたし」
「……そうだな」
咲雪のかわりに、俺が悠聖の渾身の怒りの一撃をもらったことはあえて伏せておく。
咲雪は声を弾ませながら続けた。
「それに、それまで全然会ったことなかったのに、央子ネエは初めからすっごく優しくしてくれた。
あたし、お姉さんはいないけど、でも、央子ネエって夢見てたお姉さん像そのままなんだもん」
「咲雪はお姉さんが欲しかったのか?」