未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。


どれくらい時間が経っただろう。



視線を感じて振り返って見ると、扉が少し開いていて悠聖が顔を覗かせていた。


悠聖は、ちょっと来いと口を動かして手招きする。


俺は無言で頷き、咲雪を起こさないように細心の注意を払いながら立ち上がった。



ついに、適合試験の結果が出たんだ。


俺は自分自身に、あまり期待するなと心の中で言い聞かせた。

あまり期待しすぎると結果が良くなかった時にかえって落胆が大きくなってしまうから。



廊下に出た俺に、悠聖は小声で聞いてきた。


「咲雪は?寝てるのか?」


「ああ」


「それならいいんだ」


悠聖が先に立って歩き始める。俺は慌てて後を追った。



「悠聖、結果はどうだった?やっぱり駄目だったか?」


「…………」


悠聖は答えない。ただ、黙って歩き続ける。


その姿を見て、俺はこれはもう駄目だったんだなと諦めた。

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