未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。



あたしがふっと意識を取り戻した時、病室には誰もいなかった。


悠聖と茉優と央子ネエの3人はなんだかよくわからないけど、さっき一緒に病室を出て行ったっきり戻ってこない。


でも、お兄ちゃんはあたしのそばにいて、あたしが眠るまで話をしていた。

そのお兄ちゃんも今はいない。



どこに行ったんだろう?
トイレかな?


そう思った時、あたしは自分の考え方が前よりずっとポジティブになったと気付いた。



入院したばかりの頃は、それこそ少しの時間でも一人になると寂しくて寂しくて堪らなくなっていたのに。

今では、目を覚ました時に傍に誰もいなくても、そんなに寂しいとは思わなくなった。


きっとそれは、今は一時的に一人でもすぐに誰かが戻ってきてくれるという絶対的な信頼感があるからだろう。



もう一度眠ろう。
きっと、次に目を覚ます時には誰かがそばにいてくれるだろうから。

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