未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。

嘘!?
嘘でしょ!?


あまりのショックに手が震える。

力の抜けた指から髪の毛がはらりとあたしの目の前に落ちた。



「うわあ‼」


あたしは悲鳴を上げて泣き崩れた。


信じたくないけど、これが現実なんだ。
あたしは恥ずかしさのあまり、布団で頭まで覆う。


こんな姿を悠聖に見られるなんて耐えられない。



その時、誰かが病室に入ってくる気配があったが、あたしは知らん振りをしていた。



今まで気付いていなかっただけで、もしかしたら、今のあたしの頭は人にはとても見せられないような状態になっていたのかもしれない。

もしそうだとしたら……。



「おい、咲雪、どうした?」


悠聖の声。

あたしは無視していた。



「なんだ、悠聖、咲雪がどうかしたのか?」


「いや、なんか咲雪がモスラの幼虫と化してる」



モスラの幼虫!?

よりによって何に例えるのよ‼

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