未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
咲雪が浴びている放射線がどれほどきついのか、経験していない俺には理解することが出来ない。
だけど、モニター越しに見る咲雪の様子から察するにすごく苦しそうだ。
一生懸命に耐えている。
咲雪、頑張れ‼
心の中で応援することしか出来ない自分がすごくもどかしい。
咲雪が苦しそうに体をよじった。
その目から涙が溢れて流れ落ちる。
その姿があまりにも痛々しくて俺は「もうやめてくれ!咲雪をこれ以上苦しめないでくれ!」と思わず叫びそうになった。
俺がそれを実行に移さなかったのは、突如として鳴り響いたブザーのおかげだ。
その咲雪の合図で、速やかに照射が中断される。
もうこれで4度目だ。
咲雪の苦しみを少しでも代わってやれたらいいのにと、俺は自分の無力さが悔しかった。
すぐに堤先生が管理室を出て照射室の咲雪のもとに駆けつける。