未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。

やがて戻ってきた堤先生に、悠聖が噛み付くように尋ねた。


「彼女は大丈夫なんですか!?
こんなに何度も中断して……本当に大丈夫なんですか‼」


あくまで冷静な堤先生。



「大丈夫。これくらいなら、よくあることです。私たちの想像以上に、放射線照射はきつく、苦しい。

……むしろ困るのは……」


そこで一瞬言葉を切り、彼は続けた。



「この苦しみを逃れたい一心でこの治療を途中で中断してしまう場合です。
でも、咲雪さんは強い。どんなに苦しくても、ちょっと納まったらすぐに続けてくれと促す」


そして、優しく悠聖の肩に手を置く。



「大丈夫。このまま彼女を見守ってあげてください」


その言葉に、悠聖は大きく頷いた。



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