未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
親父さんとお袋さんも安堵のため息を吐き出した。
と、その時、突然大きな妙な声が響き渡った。
「な、なんだ!?」
何事かと思って声のする方を見ると、茉優ちゃんが床に座り込んで泣いていた。
しかもその泣き方というのは号泣というのがふさわしいような激しい泣き方。
すぐに央子が茉優ちゃんの傍に片膝をついて、その背中にそっと手を回して抱きかかえる。
茉優ちゃんは央子の首に抱きついて更に激しく泣き出した。
央子が幼い子供をあやすように茉優ちゃんの背中をぽんぽんと叩く。
「嬉しいんだよね。咲雪が頑張れたから、ほっとしたら泣けてきちゃったんだよね」
茉優ちゃんは泣きながらも激しく頷く。
「す、すごく怖かった!咲雪が、このまま死んじゃうんじゃないかって……」
「うん。あたしもすごく怖かった。
でも、咲雪、頑張れたじゃない。
だから……きっと、きっと良くなるよ」