未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
咲雪の返答に、見る見るうちに茉優ちゃんの目から大粒の涙が溢れ出してくる。
「そんなの駄目じゃん。あたし達がいないと頑張れないなんて……あたし達がそばにいなかったらどうするのよ。
咲雪ならどんなに辛くても頑張れるよ。
……なんか、あたしが言ってること変みたい。ごめんね。なんか言葉がうまく出てこない。
……でもね、咲雪が頑張れたのがすごく嬉しいんだけど本当に……だけど……ううー」
とうとう感極まった茉優ちゃんは、咲雪のストレッチャーに取りすがってワンワン泣き出してしまった。
そんな茉優ちゃんを、咲雪は優しい目で見つめている。
俺は茉優ちゃんに何か言ってやりたかったが、何も出てこない。
誰もがしばらくの間、口を開こうとしないで、茉優ちゃんの嗚咽だけが静まり返った病院の地下に聞こえていた。
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