未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。

俺の背中にまわされた央子のほっそりとした腕に力がこもる。

俺らの初めてのキスは、遠慮がちな優しいキスだった。



互いの唇が離れた後も、俺らはしばらくの間お互いの存在を確かめ合うように無言で抱き合っていた。

触れ合っている部分がやけどしそうに熱い。



やがて、央子が沈黙を破った。



「圭祐……好きだよ」


「俺も」


「愛してるよ」


「俺も、央子のこと愛してる」



愛してるなんて、生まれて初めて口に出した俺。

一瞬のうちに自分の体温が急騰するような感覚を感じた。



「なんか、すっごく幸せかも」


央子がうっとりしたように言う。



「あのさ、事後承諾みたいで悪いんだけどさ……」


俺が遠慮がちに言うと、顔を上げる央子。



「俺と付き合ってくれる?」


「ぷっ」


央子が吹き出す。


「なんだよー?やっぱ俺としてはこうゆうことを適当で済ませたくないんだけど」

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