未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
咲雪は悠聖のほうに身を乗り出すようにして、悠聖が持っているイラストを見ながら何事か囁き悠聖を笑わせた。
すごく楽しそうで、生き生きとして見える。
「咲雪、どう?なかなかいいでしょ?」
母が悠聖の横にしゃがんで咲雪に尋ねると、咲雪は目尻を光らせて満面の笑顔で頷いた。
「うん!ありがとうお母さん‼すごく嬉しい。
ただ……」
「ただ?」
「お母さん達がもっと近くに描いてあったらもっと嬉しかったかな」
「はいはい。それなら次はそうするね」
母は優しくそう答えて、書類鞄を手にして再び立ち上がった。
「あ、そうだ圭祐、母さんこれから堤先生んとこ行ってから家に帰るけど、あんたどうするの?」
「どういうこと?」
「もう少しいるの?今日は悠君が咲雪に付き添ってくれるんでしょ?
それだったら母さんが帰るときに一緒に車で帰ったほうがあんたも楽でしょ」