未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。

「そう、それならいいけど。
……ああ、お腹空いたなぁ」
 

母の嘆きを聞いてこっちまで腹が減ってくる。



「俺も腹減った」


「あたしも……」


そう言った途端、央子のお腹の辺りからきゅうっと音がする。



「やだ、聞こえた?」
 

真っ赤になって恥ずかしがる央子を、俺は素直に可愛いと思った。



「自然現象、自然現象」
 

とりあえずフォローはしておく。
 

と、母が何か思いついたような表情で振り向いた。
慌てて繋いでいた手を離す。



「ねえ央子ちゃん、どうせだし、うちでご飯食べていかない?圭祐の料理、すごく旨いのよ」


「……ちょっと待った。なんで俺が作ることになってんの?」


「母さん疲れた」


ってちょっとまてよ。



「…………」


なんと言って反論しようかと考えているうちに話は終わっていた。

< 337 / 403 >

この作品をシェア

pagetop