未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
何故か赤血球が増えてくる時期になっても一向にA型の赤血球が現れてこないのだ。
どうやら軽い拒絶反応らしい。
もちろんO型の赤血球が出来るはずもない。
このままでは赤血球が足りなくなってしまう。
仕方がないので、咲雪は今はもとの血液型のO型の赤血球の輸血を受けている。
咲雪自身は自覚症状もなく元気なのだが。
このままA型の赤血球が生産されなかったら、様々なトラブルが咲雪の体に起こってくる恐れがある。
なのに、今日の段階でもまだA型の赤血球が生産されていなかったらしいのだ。
俺は大きくため息をついた。
「心配だな」
一難さってまた一難とはこのことだ。
まるで、のろのろ運転と停車を繰り返す今のこの車の状況のようだ。
俺はさっきからほとんど変わっていない窓の外の夜景を見ながら、ふとそんなことを考えた。
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