未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
茉優ちゃんがにっと笑って言い返す。
「センパイに対する態度がなってないわよ。さ、ゆ、き」
「ふんっだ」
茉優ちゃんに言い負かされてそっぽを向く咲雪。
「この勝負、茉優の勝ちぃ‼」
央子がそう言って茉優ちゃんの右手を掴んで頭上に挙げた。
「いち、にい、さん、ダー‼」
茉優ちゃんも調子に乗って勝った喜びを表すかのように古いネタを叫んで声を上げる。
わー、パチパチパチと俺らも拍手を送り、咲雪も諦めたように肩をすくめて笑った。
笑った途端にまた咳をする。
「なんかさ、こういう時にあたしってすごく幸せだなーって感じるの。
確かにね、病気のことはすごく辛い。でも、このことがあったから、こんな風なささやかな幸せがすごく大切なものなんだなーって思えるの。
だからね、あたしはもうこの白血病っていう病気を恨んだりしてないよ。今のあたし、幸せだから。
あたし、ここにいるみんなの事が大好き。
……みんなに会えて本当に良かった‼」