未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。

俺は椅子から腰を浮かしかけたが、どうやらそういうことではないようだ。



「どうして……」


咲雪が目から涙をぼろぼろとこぼす。



「どうして、あたし、こんなに悠聖のこと好きなんだろ。なんで悠聖に出会っちゃったんだろ」


「…………」
 

俺には、咲雪が何故泣いているのかさっぱり見当がつかない。



「悠聖に会わなかったら、こんなに生きたいって思わなかったのに‼」


「何言ってるんだよ?生きたいって思うならそれでいいだろ!?」


「良くないよ!だって、生きたいって思うってことは死ぬのが怖いってことなんだよ!」


「誰が死ぬんだよ!?咲雪は死なないよ!ちゃんと元気になって退院できるよ!なんでそんなこと言うんだよ!

……例え1%でも、生きれる希望があるなら生きることを諦めたりしないって、前に約束しただろ‼
なんでそんなこと言うんだよ……」
 
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