未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
俺は、袖でごしごしと目を擦ってから、思い切って聞いてみた。
「俺と咲雪は、会わなかった方が良かったのか?一生の間互いに知らない他人同士だった方が良かったのか?
その方が、咲雪は幸せになれたのか?」
咲雪は口をへの字に結んだまま、首を横に振る。
彼女は何度も言いあぐねてやっと言った。
「……あたしにとって、悠聖に出会えたことがあたしの短かった人生の中で最高の出来事だったって思ってる。
あなたに出会えたから、あたしは今すごく幸せだし、もっと生きたいって思えるの。
………信じて?あたしはもっと生きたい。あなたと生きたいの!
……あたし、死にたくない‼」
咲雪がそう、搾り出すように言った直後、彼女は今までにないぐらい激しく咳き込んだ。
「咲雪!?」
「げほげほっげほっ……ぐええ!」
激しく咳き込んだ咲雪は真っ赤な血を大量に吐き、それは咲雪の胸元から腹まで白いパジャマを赤く染める。
そして、そのまま自分の吐いた血に倒れ込むように咲雪は前に体を折った。