未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
俺たちが学校に近い駅の外に出ると、何か冷たいものが頬に当たった。
「なんだ!?」
俺が顔を上げると、白くてふわふわしたものが灰色の空から舞い降りてきていた。
……雪か。寒いわけだ。
「わあ、雪‼」
「ほんとだ!積もるかな?」
子供みたいに歓声を上げている央子と茉優ちゃん。
雪は止む気配無く、後から後から降ってきている。
………っ!?
……何だろう、胸騒ぎがした。
一瞬だが、皮膚が粟立つような感覚。
寒さのせいだろうか。
「ねえ圭祐知ってる?こういう時期に降る雪は名残雪っていうのよ」
央子が楽しそうに教えてくれたが、俺の胸の奥に生じた不安は増大する一方だった。
咲雪……‼
一体どうしたんだ。
咲雪のことが心配で心配でたまらない。
俺たちが病院から出てくる時は咲雪は元気だった。
ちょっと咳をしていたけど、心配するようなほどじゃなかったんだ。