未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。

「誰から?」


「悠聖だ!」


通話ボタンを押して耳に当てた。



「悠聖‼咲雪に何かあったのか!?」
 

電話の向こうから、弱々しい悠聖の声が返ってくる。



『……ああ。今どこだ?すぐ病院に戻ってきてくれ』


「咲雪に、何があったんだ!?」


『……わからない。さっきまで元気だったんだ……。
急に激しく咳き込んで、沢山の血を吐いて……今は意識が無くて集中治療室に入ってるんだ』



「……マジ、かよ」
 

俺はやっとの思いでそれだけ呟く。



『……危ないらしいんだ。堤先生が、すぐに家族を呼べって……。

早く来てくれ‼』


「わかった」
 

俺が答えるより早く、電話は切られていた。

呆然と立ちすくむ俺に央子がおずおずと声をかけてくる。



「……咲雪、どうだって?」


「血を吐いて倒れた。……危ないらしい」


「っ!?」
 

そう答えると、央子が息をのんだ。

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