未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
咲雪が治療を受けているICUのすぐ横の家族控え室のベンチで、俺は両手の平を組んで頭を垂れ、咲雪の為に祈り続けていた。
苦しい時だけの神頼みを神が聴いてくれるのかはわからない。
でも、それでも俺は祈らずにはいられなかった。
俺は名前すら知らない神にひたすら祈り続ける。
お願いです、神様。
咲雪が元気になれるなら、この命を差し出しても全然惜しくはありません。
どうか咲雪を助けてください。
咲雪を助けることが出来るなら、神でも仏でも悪魔でもいい。
俺は、わらにでもすがりつきたいような心境だった。
ばたばたと足音が反響しながら近づいてくる。
そして、それと重なって圭祐の声が聞こえてきた。
「悠聖ぇー‼」
顔を上げると、必死の形相の圭祐と央子と茉優ちゃんが駆けて来るのが目に入る。
良かった。
この雪で電車が止まるんじゃないかって心配したけど、間に合ったみたいだ。