未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
それと助手のアスラン。
現在十八歳の彼は、子供の頃から反政府軍の少年兵として銃を持って戦場に立たされてきた。
しかし、内戦が終わり、することを失った彼。
戦士以外の生き方を知らなかった少年は酷い心的外傷後ストレス、いわゆるPTSDに苦しんだ。
常人の生活に戻ることが出来ず、街で喧嘩をして俺のところに運び込まれたときは大怪我をしていた。
そのまま怪我が治った後も何故か俺の診療所に居座り、今では有能な助手として働いてくれている。
これが、今の俺の家族の全てだ。
この二人に、俺は心身ともにどれほど助けられ、支えられてきたかわからない。
二人は、俺自身がかつて失った大切なものをもう一度取り戻させてくれた。
「ドクター、僕にもやって」
「あたしもー」
「はいはい。順番だよ」
サユキと遊んでいた子供達にせがまれて、順々に高い高いをしてやっていると、物凄い勢いで走ってきたジープが診療所の前で急停車をした。