未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
「ああ。客は若い女の子ばっかだし店員もそうだから、俺、かなーり浮いてて恥ずかしかった」
「あはははは」
その様子が容易に想像できてあたしは思わず笑ってしまった。
「笑うなって」
悠聖が苦虫を噛み潰したような顔をしている。
悠聖がそんなに恥ずかしい思いをしてまで、あたしの為にシュークリームを買ってきてくれたというその行為が嬉しかった。
「恥ずかしい思いして買ってきてくれてありがとね。でもね、悠聖が恥ずかしい思いをしたってことで、このシュークリームはただのシュークリームじゃなくて、付加価値がついたシュークリームになったのよ。だから貰った嬉しさが何倍にもなったわ」
そう言うと、悠聖は照れたように鼻の頭を掻いた。
「それは、喜んでもらえてなにより」
「あら悠君、そんなに気い遣ってもらわなくてもよかったのに。あなたが来るだけで咲雪は嬉しいんだから」