未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
お母さんが味噌汁を注ぎ分けながらそんなことを言う。
悠聖はそれに関しては曖昧に誤魔化した。
「ま、そこはそれ。
それより、俺もなんか手伝いましょうか?」
「あー、いい、いい。それより咲雪の相手をしてやってくれ。そいつさっきからしゃべりたくてしゃべりたくてウズウズしてるからさ」
お兄ちゃんがフライパンでハンバーグを焼きながら振り向きもせずに悠聖に答える。
お兄ちゃんたら、気を遣ってくれてるのね。
「つまり俺は咲雪に差し出された人身御供ってことね?」
は?
「そういうこと。おとなしく犠牲になってくれぃ」
なんか、君達、すごく失礼な会話してない?
「人身御供でーす。煮るなり焼くなりお好きにどうぞ」
悠聖がそう言いながらソファに座るあたしの横にこぶし一つ分ほど間を空けて腰を下ろす。
そしてあたしの顔を見ながら真面目な顔で聞いてきた。