未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。

黒ぶちのメガネがトレードマークのお兄ちゃん。

制服の夏服の上に愛用のグレーのエプロンをつけている。


あいかわらず、エプロンがよくお似合いね。



お兄ちゃんはあたしの顔を見るなりびっくりして言った。



「咲雪‼大丈夫か?かなり顔色悪いぞ!」


「え?そんなに顔色悪い?」


「ああ。顔面蒼白っていうか……血の気がないっていうか……。体大丈夫か?」



え、マジ!?

……そんなに顔色が悪い?



「だからかなぁ。今日、すっごく体がだるいの」



あたしがベッドから降りようとすると、お兄ちゃんは慌ててあたしを止めた。



「ああもう立つな!そのまま座ったままで待ってろ。すぐ母さん呼んでくるから」



そう言ってお兄ちゃんは、慌ただしく部屋から出て行った。

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