未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
白血病なんて……白血病なんてそんなの嘘に決まってる。
そう、心は一生懸命否定しているのに、頭が理解してしまっていた。
嫌だ。
そんなの嫌だ。信じたくない‼
あたしの目からは堪えきれない涙がぼろぼろと溢れてくる。
「咲雪……」
お兄ちゃんが何か言いかけて口を開いたが、もうあたしの耳には入ってこなかった。
「嫌ー‼‼もう言わないで!何も言わないで‼」
両手で耳を塞ぎ、ぶんぶんと首を横に振る。
それでお兄ちゃんは何も言わなかった。
あたし、死んじゃうんだ。
まだ17歳なのに、やりたいこともたくさんあるのに死んじゃうんだ。
そう思うと悲しくて、もう堪えることが出来なかった。
「ううぅー…………」
一度堪えることに失敗した涙は後から後から際限なく溢れてきて、あたしの頬を伝って流れ落ちる。