未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
そもそも、なんでいきなり貧血になんか……。
貧血ってそんな急になるものだっけ?
ま、その辺のことは圭祐にでも聞けばいいか。
俺は大きく伸びをして、鞄から弁当を取り出した。
「おい圭祐、メシ食おーぜ?」
左斜め後ろの席を振り向く。
てっきりそこにいると思っていた圭祐はそこにいなかった。
「あれ?」
教室内を見回すが、圭祐の姿はない。
どこに行ったんだ?
「圭祐君ならぼーっとして出てったわよ」
圭祐の隣の席の桑谷央子がいつも通りの無関心そうな口ぶりで教えてくれる。
「あ、サンキュ。あいつ、どこに行ったかわかる?」
「さあ?でも、今日の圭祐君、なんか元気ないよね」
それは俺も気付いてた。
この前、家に行った時は気のせいかなと思ってたけど。
でも、今日の圭祐はあからさまにへこんでいた。