未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。


思った通り、圭祐は屋上にいた。

柵にもたれかかって不味そうな顔をしてパンを食べている。


何よりも俺を驚かせたのは圭祐が泣いているということだった。


なに、マジで?
うわー、へこんでるなぁ。



俺は圭祐とは長い付き合いだが、あいつが泣いているのを見るのは初めてだ。


一瞬圭祐をそっとしといてやろうかと思ったが、すぐに思い直した。



落ち込んでいるときに一人になったらいけない。

落ち込んでいる時に一人になったら考えが悪い方に悪い方に向かってしまって余計に立ち直れなくなってしまうことを、俺は自分の経験から知っていたからだ。




俺自身、かつて不登校になっていたことがある。


初めは単なるサボりだったのが。


学校に出た時のクラスメイトの反応がどんなものかとか。

再び打ち解けることができるのだろうかとか。


考えるうちにだんだん怖くなってきて、登校出来なくなってしまった。

< 78 / 403 >

この作品をシェア

pagetop