未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
だいぶ気持ちが落ち着いてから一度ため息をつき、「おい、圭祐」と呼びかけた。
「なんだ?」
圭祐が俺の方を向く。
俺は、あえて言うことかな?と一瞬考えたけど、言った方がいいだろうと思って口に出した。
「血が繋がってないからどうだっていうんだよ。血が繋がってなくても、お前は咲雪を妹としてすごく大事にしてるじゃないか。血の繋がりよりもたぶんそっちの方が大切だよ。本当の兄弟でも仲悪い奴らって結構いるからな。
だから、そういう意味から言ったら、お前は本当に咲雪にとって最高の兄貴だ」
俺が言った言葉は意図せずして圭祐の心の琴線に触れたようだ。
見る見るうちに圭祐の目から大粒の涙が溢れてきて、俺は本気で驚いた。
うわっちょ、ちょっとまて。
まさかそんな反応が返ってくるとは思ってもみなかった。
圭祐は慌てて袖で涙を拭って俺を睨む。
「み、見るなっ」
「あ、ごめん」
慌てて圭祐から目を逸らす。