未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
あー、なんか俺、今日はやたらと人のタイミングの悪い場に居合わせるような…………。
しばらくの沈黙の後、圭祐が呟く。
「まったく、お前って奴は……」
「なんだよ?」
俺が聞き返すと、圭祐はちょっと考えてから答えた。
「……なんでもない。
言っとくけど、今日の俺はちょっと落ち込んでただけだからな!でなきゃこんなことで泣いたりしない」
圭祐の強がる声に少し笑ってしまった。
圭祐らしい意地の張り方だ。
だけど、俺には圭祐の気持ちがよく理解できる。
「わかってるよ。誰だって弱くなる日はあるさ。だから、気にすんな」
俺がそう答えると、圭祐は口元だけで笑った。
「お前がいてくれて良かったよ。だいぶ気が楽になった」
「ならいいけどな」
圭祐が元気になったようでホッとした。
圭祐が最近元気がなかった理由については結局聞けなかったが、気が向いたらいつか話してくれるだろう。