未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
6限目の英語の授業の終わりを告げるチャイムが響き渡る。
あたしは思わず大きく息を吐いた。
やっと放課後になった。これでやっと悠聖に会える。
そそくさと机の上の教科書や筆記用具を片付け、肩掛け鞄を手に立ち上がる。
その拍子に教壇の沼上ティーチャーと目が合ってしまった。
やばっなんか言われるかも。
嫌な予感が的中。
「ちょっと緒方、悪いけどこのノートを職員室の俺の机まで運んでおいてくれるか?」
げ~、マジすか?
ちょっと沼上ティーチャー、悠聖があたしのことを待ってるんですけど~。
心の中で思いっきりブーイングしたが、無論そんなことを口に出せるわけがない。
あたしは泣く泣くノートの束を持って教室を出た。
「咲雪っ」
後ろから名を呼ばれて振り返ると、クラスメイトであたしの一番の親友の田畑茉優(タバタ マユ)が小走りに近づいて来る。