未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。
「ああもう立つな!そのまま座ったままで待ってろ。すぐ母さん呼んでくるから」
俺は咲雪にそう言い残して彼女の部屋を飛び出した。
あまりにも慌てたせいでドアに足の小指をぶつけてしまって、悶絶。
あ~、痛ってぇ……。
痛みを堪えながら階段を駆け降りてダイニングに駆け込んだ。
丁度その時、母が至福の表情でコーヒーを口に含んだところで……。
「母さん‼」
「ぶぴっ」
うわ、汚な。
母が激しく咳込みながら恨めしげに俺を睨む。
「ゲホッゲホッ。け、圭祐、あ、あんたわたしになんか怨みでもあるの?なんなのよぉ、一体!?」
「ゴメン。恨みはないけどさ、咲雪が大変なんだよ!すっげー顔色悪いし体調も悪いみたい。とにかくすぐに来てくれよ‼」
「ええー?なにそれ?」
母はティッシュで汚れた口元を拭いながら急いで立ち上がった。