常世(とこよ)の花嫁様
塔子「そうだけど、ちょっと寝過ぎちゃって、、、逆に眠れないのっ」

布団から顔を覗かせて、私は、むくぅっとしてみる


塔子「あ、もしかして、夜鬼、私が寝てる時、傍に居てくれてたりした?」
夜鬼『ん...あぁ。。。言うなって口止めしてたんだけどな』
塔子「やっぱり、何かそんな気がしてたんだ!梅ちゃん、よそよそしかったし、、、そっか、夜鬼だったんだね、、、ふふっ」

あんな無愛想な夜鬼がっ?って思ったら、少し嬉しくなった...

夜鬼『これ、俺のせいでついた傷だよな...?』

夜鬼は、私の頬にある擦り傷をすっと指で撫でたーーー
ほんの一瞬、壊れ物を扱うみたいに、触れた指先が、熱のせいか凄く冷たく感じて、心地よかった

ドキっ!と、心臓が高鳴るーーー
なんだろう、、、?熱のせいかな?

夜鬼『人間って、本当に弱い生き物だな...?』

夜鬼は、基本無表情で、何を考えているのか分からない
でも、今日は、何となく、いつもより優しい、気がするーーー

ストンっと、私のベッドの横に腰掛けた

塔子「あ!そういや、リンさんは?」

引き止めといて何だけど、あれだけワンマンっぷりを炸裂していたコイツが、、、なんか違うから、バツが悪くて、話しを変える


夜鬼『アイツは、里帰りしてるよ』
塔子「里とか有るんだ?リンさん」
夜鬼『アイツの家は、姉ちゃんがめちゃくちゃ怖くてよ、しょっちゅう呼び出しくらって、しょっちゅう文句言いながら帰ってるよ』
塔子「え!?お姉さんがいるの?絶対美人だよね!?」

何かーーー私今、初めて、夜鬼と普通に会話してるーーー?

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