常世(とこよ)の花嫁様
九尾『お前を食らってその力で、この空間をーーー出ようぞ、、、そして、、、今一度!!』

私の前までゆっくり歩みを進める

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ボロボロの小さな空間は、私が7歳の頃、襲われた、あの小屋に似ていたーーー

『ーーー契約じゃなくーーー私と友達になって欲しいーーー』

『…友達?何じゃそれはーーー?』

小さな子狐を、華奢な青年が抱えーーー微笑んでいるーーー

青年『私は友達がいないんだーーー皆、私を怖がるからね

友達と呼べる存在が欲しいだけなのに…』

子狐は深い傷を負っていてーーー青年はそれをかくまって治療しているみたいだった


子狐『大切な何かをくれたら、、、友達という物になってやろうーーー』

鼻先をくんくん動かして彼の胸にうずくまる

青年『…?』
子狐『耳か、目かーーー?鼻、腕でも足でもよいぞーーー?』

ーーーいい匂いがするのか、とても心地好さそうだーーー

青年『ーーー私の身体の1部はやれない
だけどーーーこれならどうだろうか???』

そう言って青年は紙と筆、墨を取り出しーーー

そこに千(せん)と文字を書き留めた

子狐『ーーー何じゃ?これは…?』

青年『名前をあげよう

せんーーーというのは

どうだい?』
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