常世(とこよ)の花嫁様
千の想いが込められたそれを、私はギュッと抱きしめて深く頷いたーーー

塔子「大切にするっ!」

温かい温もりを触れる手から感じるーーー

千『…ありがとう

呪いが解けーーー全て、、、わかったよ

ーーーそうか、良かった良かった』

景色がボンヤリと薄くなっていくーーー

狐は綺麗な涙を流しながら笑っているーーー私、、、役に立てたのかな?だったら…よかったーーーこんな私でも、誰かの役にるんだ...
足場が一欠片、また一欠片と消えて行く
…立っているのがやっとの所で私はハッとした

シュリ『塔子さん!?本当に君は危なっかしいですねぇ...』

その中で私のお尻から軽く抱きかかえたのはシュリさんだ

塔子「うわっ!!ちょっと!シュリさん!!そこ、お尻!!」

シュリ『えー?どこですか?』
スッとぼけているが、確かに彼が居なければ、、、私はこの深い谷底に飲み込まれていたのかと思うとゾッとするーーー

千『妹君にも心から謝罪を、、、そして

ーーーさようならーーー主、、、待っておりますよーーー』

千は幸せそうに微笑んで消えてゆく、、、その向こうで、、、

白モコ2人組みは小さな手を大きく振っていたーーー

塔子「ーーー?主?違うんだけどなぁ…さようならーーーでも、本当に会えるといいね、主さんに」
私はニッコリと微笑んだーーー

シュリ『ーーー。。。』
地面も、草も木も、何もかもが、消えてゆく
不思議だ、悲しいのに、嬉しい、、、
私達は夜鬼の声を頼りに、前え前えと進んだ

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