常世(とこよ)の花嫁様
小さな身体から発せられる妖力は、私から見ても異常なくらい大きな物なのはわかる

力なんて、私だって欲しくて持って生まれて来たんじゃない

見えなかったら、誰にも疎まれなかったかもしれない
お母さんにも、捨てられなかったかもしれない
だけどこの力がなければ、夜鬼や、皆に会えなかった

そして、私はゆっくり首を左右に振った

咲江『餌は撒いて準備もしたーーー来てくれて本当に感謝しますよ塔子様!皆、今頃、サーカスに夢中で、誰も異変に気付かない。どれだけ叫んでも、我等の結界の力で誰の耳にも届かないのよ。。。やりなさい』

群がってくる小さな人形達

私は押し倒され、羽交い締めにされた

咲江『まず、ひとーつ』

塔子「ーーーっ、、あぁぁぁぁぁ!!!」

彼女がそう声を出せば、一体の人形が私の左手のヒラに大きな五寸釘を小槌を使って打ち込んだ。同時に、激痛が体中に巡る

咲江『これは、特殊な力が込められた五寸釘。これで打ち込まれた者の力を外に吐き出すのよ。ほらーーー出てくるわ。貴女が自身で出せばこんな苦しむ事なんてなかったのよー。人間って愚かね…クスクス...』

ピンクの飴玉が1つ、彼女の掌に握られる
あの蛙の時とよく似てる感覚、、、
服従の力が出たんだーーー

塔子「...いい加減にしなさい!あんた達、こんな事していいと思ってるの?」

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