常世(とこよ)の花嫁様

咲江意外の多くの人形達が、風の矢を跳ね返して、1つに塊り、大きな、人の形になっていく

清十郎『おいおい、こ、これは、一体、何だい？』

『返しちゃ、駄目じゃないか、、、咲江。ちゃんと、全部、持ち帰るーーー約束ーーーでしょ？』

ズルズルと闇の中から這い出でるように、黒く禍々しいソレは大きく塊った人形へと入っていった


清十郎『無粋な奴だね。こんなに僕が華麗に舞っている感動の時にさ！これなら、どう？』

風の矢を降らせる清十郎、自撮りしながらじゃなかったら、本当にカッコイイシーンなんだろうけど、、、いちいち、残念だな

そして、そいつは、今まで受けた矢をそのまま清十郎へと纏めて全て打ち返した


清十郎『ちょ、ちょっと！これは...！？...なっ？まずい、かも』
矢に何か、混ぜられたのか、清十郎はその場からヘタリ込み動けなってしまったーーー

塔子「...さ、咲江！？」

力を入れてしっかり抱きしめてるのに、吸い込まれる様に、咲江は私の手元を離れ、その塊へと引っ張られていく

夜鬼『お前は俺の前に出るな、いいな！？』
夜鬼の表情が何か身構える見たいに、強ばっていた
頷いて、私は夜鬼の背に隠れる

それを簡単に跳ね除けるそれは、私だけをじっと見つめている

咲江『塔子様、逃げ、て、、、』

咲江は人形の塊の中へ中へと、まるで飲み込まれるようにして消えていく

私は思わず手を彼女目掛けて伸ばしていた

『約束違反は、こうだよ。。。そうだ、、、お前だ、、、お前が欲しい、、、お前の全部がーーー欲しいーーーいつもいつも、お前は』

地の底から響く、恐ろしく狂気じみたーーー低い男の声ーーー