常世(とこよ)の花嫁様
その声の主は、間違いなく、私を...狙っている

黒い影の様な触手が私目掛けて伸びてくる

それを夜鬼は笑いながら

軽々と、受け止めた

身体は青く黒く、、、角は大きく突き出て

息からは火の粉が漏れでる

まさしく、それは、鬼

夜鬼『お前さ、誰の物に手ー出してんの?』
ニタリと笑う彼は、闘いを待ちに待っていた様に楽しそうに、その巨体へと向かっていく、、、

私は、そっと、清十郎の元へと駆け寄って、持ってきていた紙に
《解毒》と書いて貼り付けた、効いてくれるといいんだけど

清十郎『ありがとう、塔子ちゃん!こんな事も出来るのかい?ホント凄いね꙳★*゚でも、あれはーーー大丈夫なの?』

夜鬼は力のぶつかり合いを
とても楽しそうに繰り広げている、
夜鬼『ちぎって、ちぎって、、、またちぎって...いいねー』
相手は人形、、、ボロボロにはなっても、何度も立ち上がっては再生した、、、でも、夜鬼はーーー

力を使う度に、身体の至る所から血が吹き出ている
夜鬼『おいおい、つまんねーよ』
相手が動けなくなるように、1つ1つ潰して遊んでいる
残虐に、圧倒的力で制しながらも、殺さない。。。
獲物を狩るハンターの様に、夜鬼は狩を楽しんでいるんだ
見てられない
塔子「夜鬼!遊ばないで!ちゃんと、仕留めなさい!」

夜鬼『ちっ。分かったよ。塔子』
チラッと私を見て、彼は渋々、凄く残念そうに巨大な青白い鬼火を片手で作って放ち
人形の身体ごと大きな炎で包み込んだーーー

人形『月詠ーーー、いつか、む、かえ、に、、、ゆぐ、がらね』

人形がチリになると同時に、私達は只の路地裏に放り出されたーーー

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