常世(とこよ)の花嫁様
求められる事がこんなにも幸福だなんて、思った事がなかった
塔子「...」
私は銀色の瞳に吸い込まれたみたいに動けない

夜鬼『...嫌なの?』
そんなに、優しく真っ直ぐ聞かれたら
塔子「。。。いいよ」
断れるわけないじゃない

塔子「でも、こんな傷だらけで、、、大丈夫なの?」
キスもまともにした事のない、そもそも、私、処女ですし、、、

夜鬼『俺は鬼だから、食わなくても、寝なくっても生きていけるけど。。。その代わりに、生きた女の血を飲むか...』
塔子「飲むか?」
夜鬼『抱くかしないと...生きていけない。…不便だろ?血は、お前も今、弱ってるから...もらったら、際限なく飲んじゃいそうで...怖い』...何故そこで赤くなるのか、分からないけど、夜鬼が赤面するから、私も便乗して赤面してしまった

夜鬼『...抱けば、お前の生気をすって傷は一瞬で回復する』
塔子「じゃあ、私、干からびちゃうの?」
夜鬼『いや。むしろ、代わりに、俺の力をお前に分け与えるから、元気に...なると、思う』

塔子「何か、恥ずかしいけど...
良かった。...私はいいよ。もっと夜鬼を知りたいから…」
夜鬼『本当に?でも、俺、...ちゃんと抑制出来るか、あんま、自信ねーよ』

塔子「あの...私なんて、キス?すらまともにした事ないし、その、あれ?も、初めてなんですけど...」

恥ずかしいのに、本音を言ってしまうあたり、、、私達らしいなって、お互い笑いあってしまった

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