常世(とこよ)の花嫁様
今回のサーカスでの出来事、それを聞いたシュリはゴクリと生唾を飲んだーーー

シュリ『塔子さん…高天原には行かない事を、僕は勧めるよ』
塔子「どういう事?」
梅『実在ーーーしていたのですね?』

シュリ『月詠姫は、数多く存在する神の中でもとっても有名な女神様でね…この常世を作った4神の中の1人で、お伽話の中の話しとして今も語り継がれているんだ…ほら、これだよ』

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昔々、星の王と月の姫の間にとても美しい姫が生まれました

姫はいくつもの特別な才能に恵まれていました

中でも誰もを魅了してやまない蜜の力は、彼女が大人になるにつれてどんどん強力になります
神々や妖、どんな者でも、彼女を知れば花嫁にと望みました
ですが、彼女は、誰の申し出も受けません

心優しい彼女は、服従の言霊で、彼等の自分への想いを忘れさせましたーーー

ある時、闇の王と名乗る者が月詠姫に求婚してきます

いつもの様に、姫はそれを断り、忘れるよう言霊を放ちますが、

彼には、どうしてか、言霊の力は届きません。

闇の王は酷く怒り狂い、彼女のもっとも大切な物を奪い去ります

それからの姫は、感情を露にしない、人形になりました

多くの者に愛されるのに、誰も愛する事が出来ず、そのまま彼女は生涯を終えます

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