常世(とこよ)の花嫁様

蛙の約束

『カーカーカー』
『カーあほ、カー…』
あ、またカラスにあほって言われてるなぁ...どうでも、いいや。。。


塔子「あれ?私...」
ふと気がついたらあたりは段々暗くなってきていて、もう一息で暗闇に呑み込まれそうだーーー


塔子「あ、やばい。…寝ちゃってた!帰らなきゃ!」


三角座りをして賽銭箱に寄りかかっていた私は慌てて立ち上がろうとしてーーー


塔子「!!???」

足元にブレスレットが落ちているのに気づく

ーーーあぁ!!!良かった!!!ーーー
私はそれをそっと抱きしめた。。。


ちょうどその時、子供の頃のあの時みたいに
あたりが漆黒の闇に包まれてゆくーーー


残念ながら…今夜は分厚い雲が掛かっていて


月の光も星の光もないーーー


シーンと静まりかえった空間に、私1人ーーー


一瞬あの頃のトラウマが蘇りそうになって、私はブンブン首をふったーーー
大丈夫、毎日来ているところだもの、、、道の作りは覚えている、、、

『ゲコっ!!!!』

カエルの大きな鳴き声が神社いっぱいに響きわたる…

(……な、何っ!?カエルの声??)
必要以上にビックリする私。。。
ドクリ、ドクリと
嫌な気配があたりを包んでいるような気がしたーーー


私は咄嗟に身を低くかがめて、ゆっくり手探りに歩みを進めた

昨日、見たマリオとモリゾーはいないかな?

…初めて、妖とのいい関係が築けたって思っていたのに。。。藁にも掴むと言うのはこういう時の言葉だろうかーーー昨日のちっちゃいのでも、朝のうるさいのでも、何でもいいから現れて欲しい

意識を研ぎ澄ませても、それらしき気配はない。。。あるのは、何か凄い圧迫感ーーー1つ。。。

むしろ、そこで私は異変に気づく

朝からあんなにうるさかった妖や幽霊の姿が、一体もいないのだーーー

心細さがピークになりかけた時、何となくあの書置きを思い出した

[もうここには来るな]

その警告を無視して、今、私はここに居るんだったーーー


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