常世(とこよ)の花嫁様
今日の私は何の厄日なんだろう?

とても、よく叫んでるような気がするーーー

走って食べられて、放り投げられて、、、

これじゃ、まるでゲームのピクミンだ、、、


リン『夜鬼様!女性をそんな手荒く扱うものではありませんよ!』


リンと呼ばれたその人は、夜鬼とはまた違ったタイプの、色白で、、、長髪が似合う美女、ではなく、、、美青年であるーーー

難なく私を受け止め、ニコッと爽やかに微笑んだーーー

白い耳と、ふわっとした尻尾ーーーこっ!これはっ!?

よく、アニメとかで出てくる、獣耳(けもみみ)男子ってやつなのかっ!?

本当に存在するんだ!?まぁ、あんな大蛙がいるくらいだから…これくらいなんてないのか?
だんだん私の日常からかけ離れていく音が聞こえる気がしたーーー


リン『あ、お嬢様、失礼しました』
お嬢様って初めて言われた!?

うふ(´∀`*)
イエーイって浮かれていたら、次の瞬間ーーー
うっと、着物の裾で口元をふさぐーーー

リン『ちょ、ちょっと、これは、、、私の手にも、少々厳しいっ!け、けっしてお嬢様から汚臭が発せられてる訳ではございませんので、そちらは勘違いをなさらぬように』

私を傷つけまいと振舞っているのはわかるけど、目が、死んだ魚の様だーーー

リン『私はとくに嗅覚が、他の者より、過敏ですので...』
やっぱり、獣耳だけあって、動物だからかな?


そう言って隣に立っている少年へと

ひょいっと引き渡すーーー


リン『さ、大役ですよ…サク』


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