常世(とこよ)の花嫁様
ぎゃーぎゃー騒ぐ私をしり目に

さっきまで泡を吹いてぐったりしていた蛙が
意識を取り戻した様だった


蛙『~あれ?ここは、何処ゲコ?』


ボケっと辺りを見回す蛙ーーー


私も同様に見回してみた...


塔子「...どこ???ここ?」


まるで見たことのない、空間ーーー

沢山の人間とは違う異形の生き物達ーーー


空が異様に青く、鳥人間やドラゴン?の様な得体の知れない物が悠々と飛びかっている


自然も多く、空気も良く


気候は現世と違って春の様に暖かいーーー


完全にいつもの日常から遠のいてしまったーーー


蛙『あ、常世(とこよ)ゲコ。。。早く着いたゲコねぇ…。。。』


胸焼けがおさまってスッキリしたかの様に


あっさりと蛙は言った


と、常世って言ったら…あ、あの、、、死んだ人間が行くって言う!!あれ!?

夜鬼『覚悟はいいか?』

ヨキの切れ長の目がギラりと光るーーーふんっ!!!

蛙『ぐわぁふっ!!!…何をするゲコ!?』


蛙の大きな巨体に、拳を大きくーーーブチ込んだ


蛙『…こ、この拳は…!?
お、お前ゲコね?わしの花嫁を吐き出させたのは…ゲコ?』

きょとんとしている蛙の黄色い喉元を掴み、目線を自分の高さまで強引に引き寄せたーーー


夜鬼『返せーーー』

地の底から響くような低い声ーーー

何だかわからないけど、とても怖い。。。

ーーーヨキの周囲の空気が徐々に冷気を帯びてくるーーー

蛙『な、何ゲコか?ひゅぅ~♪知らないゲコ~』

カエルはあからさまに

口笛を吹いて、何かをごまかしているみたいっだった

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